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    2026.05.27

  • 【開催レポート】「相談される人」になるには? — フリーランスとして一歩を踏み出すために大切なこと — 

    更新日時

    2026/6/8 05:44

    公開日時

    2026/6/7 13:19

    「フリーランスとして仕事を増やすには、どうすればいいのか」
    「副業を始めたいけれど、何から動けばいいのか分からない」
    「スキルは学んでいるけれど、自分をどう伝えればいいのか迷っている」

    そんなテーマに向き合うワークショップを、ゼロイチビレッジで開催しました。

    今回のテーマは、

    「選ばれる人気のフリーランスになるには? — スキルがある人よりも大切な〇〇力の鍛え方 —」

    講師を務めていただいた株式会社ADLIL代表・水津悠貴さんは、福岡を拠点にWeb制作・LP制作・広告運用・マーケティング支援・AI活用支援などを行っています。

    「ホームページを作って終わり」ではなく、その先の集客や販売、運用まで見据えた支援を得意とされており、多くの事業者の課題解決に伴走されています。

    「相談される人になる」という今回のテーマに興味を持った方や、自社の集客・マーケティングについて相談してみたい方は、ぜひ株式会社ADLILのホームページもご覧ください。

    ▶ 株式会社ADLIL
    https://www.adlil.co.jp/

    大切なのは「相談される人」になること

    イベントの冒頭、水津さんが投げかけてくれたのは、参加者それぞれが自分ごととして考えられるシンプルな結論でした。

    人気のフリーランスになるために必要なのは、人に相談される人間になること。

    ここでいう「相談される人」とは、単にスキルが高い人という意味ではありません。知識や経験に加えて、人柄や相手を思いやる姿勢を持ち、「この人に聞けば何か前に進みそう」と思ってもらえる人のことです。

    水津さんは、それを人間力という言葉で表現していました。

    フリーランスになると、多くの人がまず「何のスキルを身につけるか」を考えます。Web業界で例えるならWebサイト制作、SNS運用、オンライン広告運用、ライティング、SEO、AI活用など。もちろんスキルは大切です。しかし、仕事が続いていく人は、単に「作業ができる人」ではなく、相手の頭の中に「あの人に相談してみよう」と浮かぶ存在になっている。

    水津さんが伝えてくれたのは実体験からのリアルな仕事の広がり方でした。

    独立当初にぶつかった「スキルだけでは伝わらない」という壁

    水津さんはもともとコーダーとして独立しました。

    独立当初は、交流会に参加したり、オンラインのマッチングサービスを活用したりしながら、「コーディングできます」「ホームページを作れます」と伝えていたそうです。

    しかし、そこでぶつかったのが、スキルを伝えるだけでは仕事につながりにくいという壁でした。

    ホームページを作れる人はたくさんいます。コーディングができる人も、デザインができる人も、SNS運用ができる人もいます。

    その中で、「できます」と伝えるだけではなかなか次の一歩にはつながらない。

    求められていたのは、単なる作業者ではなく、相手の悩みに寄り添い、一緒に考えてくれる人だったのです。

    そこで水津さんが工夫したのが、スキルではなく経験を語ることでした。

    「何ができるか」ではなく、「これまでどんな課題に向き合い、どう考え、どんな成果につながったのか」。

    それを自分の言葉で話せるようになったことで、仕事のつながり方が変わっていったといいます。

    「経験を語る」と仕事が少しずつ広がっていく

    水津さんは、仕事がどんなふうに広がっていくのか、その流れを話してくれました。

    1. 経験を語る
    2. 信頼される
    3. 任せてもらえる
    4. 新しい実績ができる
    5. さらに語れる経験が増える

    この流れが回り始めると、営業活動そのものに追われなくても、仕事が少しずつ広がっていきます。

    印象的だったのは、広告運用の事例です。

    ある女性向け講座の広告運用を担当した際、最初は訴求が難しく、成果も思うように出なかったそうです。

    しかしそこで終わらせるのではなく、1回1時間半ほどのヒアリングを複数回実施。講座の内容、受講者がどんな状態からどう変わるのか、相手が大切にしている価値観などを丁寧に聞き出していきました。

    そのうえで、相手の思いを汲み取りながら広告のキャッチコピーや訴求を整理。結果として、広告費15万円ほどから300万円規模の売上につながった経験があったそうです。

    この話を交流会などで伝えると、
    「それはうちの商品でもできそうですか?」
    「一度相談してみたいです」
    という次の会話につながっていったといいます。

    ここで伝わっていたのは、単なる広告運用スキルではありません。相手の言葉になっていない思いを聞き出し、それを届ける形に変えていく姿勢でした。

    AI時代だからこそ「人間力」が価値になる

    水津さんの話の中で、もうひとつ大きなテーマになっていたのがAIです。今は、分からないことを調べれば、かなり高い精度で情報が出てきます。

    デザイン、コーディング、ライティング、マーケティング設計も、AIを使えば以前より短時間で形にできるようになってきました。

    だからこそ、これからのフリーランスに必要なのは、AIを使えること自体ではなく、AIを使って相手への価値提供を高めることだと水津さんは話します。

    たとえば、SNS運用の相談を受けたときに、AIを使って似た事例を短時間で整理し、すぐに共有する。Web制作の相談を受けたときに、初期段階でイメージや構成案を素早く提示する。相手が困っていることに対して、以前よりも速く、具体的に返せるようになる。

    AIは「自分をすごく見せるための道具」ではなく、信頼を積み重ねるための道具として使う。

    この視点はフリーランスだけでなく、副業や社内で新しい役割をつくっていきたい人にとっても、ヒントになるものでした。

    相手を理解しようとすることが、次の相談につながる

    水津さんが繰り返し伝えていたのが、相手を理解しようとする姿勢の大切さです。依頼された作業だけをこなすのではなく、

    • その事業は誰に向けたものなのか

    • どんな課題を解決しているのか

    • 相手の顧客はどんな言葉なら理解しやすいのか

    • 今後どんな方向に広げていきたいのか

    そうした背景まで理解しようとすることが、信頼につながっていきます。

    実際に水津さんは、ホテル向けのマーケティング支援会社のホームページリニューアルを担当した際、単にサイトを作るだけではなく、サービス内容やターゲット、伝え方まで深くヒアリングしながら進めたそうです。さらに、雑談の中で広告運用の相談にも応じていたところ、自然と別の相談につながっていったといいます。

    最初はホームページ制作の依頼だったものが、広告運用へと広がっていく。

    これは「何でも屋になる」ということではありません。

    相手の事業を理解し、自分が役に立てるポイントに気づき、必要なタイミングで声をかけられる存在になるということです。

     「自分には何もない」と感じる人ほどまずは誰かの悩みを聞いてみる

    質疑応答では、副業を始めたい参加者から、「地域貢献につながる事業をやっていきたいが、どう始めたらいいか」という相談がありました。

    水津さんの答えは、とてもシンプルなものでした。まずは周りの人が何に困っているのかを聞いてみること。自分が何を提供できるかを最初から決め切るのではなく、まわりの経営者や事業者に対して、

    • 今、どんなことに困っていますか?

    • どんなことがあれば楽になりますか?

    • 足りていない部分はありますか?

    と聞いていく。

    その中で、「それなら自分にも手伝えるかもしれない」「この人につなげば力になれるかもしれない」というポイントが見えてきます。

    たとえ自分自身がすべてを解決できなくても、悩みを聞き、整理し、力になれる仲間とつなぐことはできます。そこから、ディレクター的な役割や、企画・コーディネートの役割が生まれていく可能性もあります。

    「自分にはまだ何もない」と感じる段階でも、動き出す方法はある。そのヒントが共有された時間でした。

    副業は「自分を試してみる」感覚で始めていい

    別の参加者からは、エンジニアとして働きながら副業を始める場合の進め方について相談がありました。平日の日中は本業がある。夜や土日を使って何か始めたい。ただ、自分が作業者としてやるべきなのか、企画や営業寄りで動くべきなのか分からない。

    それに対して水津さんは、まずは小さく試してみることを提案していました。

    Web広告運用の仕事に当てはめて考えてみましょう。いきなり大きな予算を投下するのではなく、訴求が合っているか、相手に受け入れられるかを、まずは小さい予算で試してみます。もし反応が芳しくなければ、次の進め方を考えて変えていけばいい。

    副業も同じように考えてみる。
    自分を一度営業マンとして外に出してみる。

    交流会に参加し、悩みを聞き、自分がどんな立ち位置なら動きやすいのかを試してみる。やってみて合わなければ、また調整すればいい。

    最初から正解を決めるのではなく、期間を決めて試してみる。この考え方は、副業を始めるハードルを少し下げてくれるものでした。

    フリーランスは一人で働かなくてもいい

    イベント後半で特に盛り上がったのが仲間と働くフリーランスという話でした。

    フリーランスというと、一人で営業し、一人で作業し、一人で納品するイメージを持つ方も少なくありません。しかし水津さんの周りでは、案件ごとにチームを組む働き方が自然に行われているそうです。

    たとえば、

    • SNS運用はこの人

    • SEOはこの人

    • LP制作はこの人

    • 広告運用はこの人

    • AI活用支援はこの人

    というように、それぞれの得意領域を持つ仲間と組む。

    そうすることで、自分一人では受けきれない相談にも応えられるようになります。相手から見ても、「この人に相談すれば、必要な人と一緒に考えてくれる」という安心感につながります。

    グループワーク:「相談される人」になるために、何ができるか

    後半は参加者同士で次の2つのテーマについて話し合いました。

    1. 仕事の良い流れを生み出すために、何ができるか
    2.どうしたら相談される人になれるのか

    それぞれの参加者が、水津さんの話を自分の状況に引き寄せながら考えていきました。

    ある参加者は、今後もっと交流会に参加し、人の悩みを聞ける状態をつくりたいと話していました。別の参加者は、自分の経験をもっと言葉にして、相手に伝えられるようにしたいと語っていました。

    「何を学んだか」だけで終わらず、「明日から何をするか」まで考える時間になりました。

    参加者が持ち帰ったそれぞれの次の一歩

    最後には、参加者一人ひとりが今後のアクションを発表しました。

    マーケティング職への転職を目指す参加者は、「自分の経験をまだ十分に語れていないので、これまでやってきたことを見直し、自分の言葉で話せるようにしたい」と共有してくれました。

    会社員として副業を始めようとしている参加者は、「スキルを身につけることばかり考えていたけれど、自分には人とつながる力や悩みを聞く力がある。そこを活かしたい」と話していました。

    独立して新しい事業展開を考えている参加者は、「考えすぎるより、まず行動して反応を見ながら進めたい」と、次の挑戦への意欲を語ってくれました。

    まとめ:選ばれる人は、スキルだけでなく「相談される理由」を持っている

    今回のワークショップを通して見えてきたのは、相談される人になるために必要なのは、単にスキルを増やすことだけではないということでした。

    もちろん、専門性は大切です。けれど、それ以上に大切なのは、相手の話を聞き、悩みを理解し、自分の経験を言葉にしながら信頼を積み重ねていくこと。

    選ばれる人は、「この人にお願いしたい」だけでなく、「まずこの人に相談してみたい」と思われる理由を持っています。その理由は、一朝一夕でできるものではありません。

    • 経験を積む

    • 経験を語る

    • 相手の悩みを聞く

    • 相手の事業を理解する

    • AIを活用して、価値を届けるスピードを上げる

    • 必要に応じて仲間とチームを組む

    こうした積み重ねによって、少しずつ「相談される人」になっていくのだと思います。ゼロイチビレッジでは、これからも新しい一歩を踏み出したい方が、学び合い、つながり、挑戦していける機会をつくっていきます。

    今回ご参加いただいた皆さま、そして講師の水津さん、ありがとうございました!